「3強」断然ムードの天皇賞・秋。「最強のシルバーコレクター」が一角崩しを狙う (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Kyodo News

 今回の"3強"にもこうした名勝負が期待されますが、実は僕自身は、今年の天皇賞・秋は厳密に言うと"3強プラス1"と見ています。"プラス1"というのは、カレンブーケドール(牝5歳)です。

「3強」の一角崩しが期待されるカレンブーケドール「3強」の一角崩しが期待されるカレンブーケドールこの記事に関連する写真を見る 昨年のジャパンC(東京・芝2400m)では先述の"3強"に屈して4着に敗れていますが、2着コントレイルとはクビ+ハナ差で、3着デアリングタクトを含めた上位2頭とは同タイムでの入線を果たしています。ポテンシャルだけの比較ならば、今回の"3強"ともひけをとりません。

 いまだ重賞勝ちはなく、GI2着が3度もあって「最強のシルバーコレクター」などと揶揄する声もありますが、デビューから一度も掲示板を外したことがない安定感は特筆モノ。これこそ、この馬のセールスポイントであって、勝ちきれなくても決して崩れないゆえ、常にマークが必要です。

 カレンブーケドールは古馬になってからはずっと、芝2200m以上のレースを走ってきてスタミナが強化されてきました。今回は3歳時のGI秋華賞(京都・芝2000m)以来の2000m戦となりますが、この舞台で同馬の武器(スタミナ)を生かすとしたら、"3強よりも早めのスパート"で粘り込む作戦が効果的でしょう。

 ここ2戦も騎乗している鞍上の戸崎圭太騎手自身、中団から差す形をとって上位から離されたGI宝塚記念(4着。6月27日/阪神・芝2200m)よりも、早めに動いて直線で一度は先頭に立ったGI天皇賞・春(3着。5月2日/阪神・芝3200m)のほうが中身の濃いレースで、よりチャンスがあったと感じ取っているはず。2000mという距離になって、実際に早めの仕掛けから押しきる競馬を試みれば、"3強"と互角以上に戦えるシーンが見られるかもしれません。

 今年のGIレースにおいて、戸崎騎手が国枝栄厩舎の管理馬で臨んだ時は3着、3着、4着、1着という好結果を残しています。互いに、ふだんから風通しよく意見交換がなされているからでしょう。

 おそらく今回も、カレンブーケドールのよさを存分に生かすため、相性のいい"コンビ"で前述したような作戦を考えていると思います。"3強"の一角崩しがあるとすればこの馬と見て、今回の「ヒモ穴馬」に同馬を指名します。

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