天皇賞・秋、「負のスパイラル」に陥っているコントレイルの完全復活はあるか (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 そうして、そこから回復させるために長い時間をかけてケアし、ようやく"立て直した"という段階までこぎつけたのが、大阪杯。しかし、そこで待っていたのが、あの極悪馬場だった。

 ここで再び、持てる力を出し切って、激しく消耗したコントレイル。その結果、次戦に予定していたGI宝塚記念(6月27日/阪神・芝2200m)を使えなくなった。

 まさに"負のスパイラル"。

 コントレイルはそうした苦闘を経て、天皇賞・秋のスタートラインに向かう。先の専門紙記者が再び語る。

「心配なのは(昨年の菊花賞から)ここまでに負ったダメージがどれほどのものなのか、です。それが、目に見えない疲れとして、残っていないかどうか。少なくとも、三冠へと駆け抜けた昨年のような、絶好調といった状態はいまだ望めないでしょう。

 それでも、闘争心に陰りが見える、ということはありません。底力は現役屈指のはず。今回は、その底力がモノをいうかどうか。もちろん、そうあることを期待しています」

 コントレイルは"負のスパイラル"から抜け出して、"最強馬"の輝きを再びターフで放ってくれるのか。そのための舞台は整っている。

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