堤礼実アナが凱旋門賞に感じるロマン。「来年はどの馬が挑戦するのか」 (2ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 ところが、実際の馬場は画面を通して見てもわかるような、泥んこ状態。どの馬も走りづらそうでした。それほどの渋化馬場のなか、日本の2頭も懸命な走りを見せてくれました。

 私はやはり日本馬を応援していたので、結果は少し残念です。それでも、クロノジェネシスは最終コーナーを回るところまで先頭集団につけて、「もしかしたら」という見せ場を作ってくれました。とてもいいレースでしたし、今年も大いに楽しむことができた凱旋門賞でした。

 日本馬による初の凱旋門賞制覇はまたもお預けとなりましたが、私が言うまでもなく、凱旋門賞は世界最高峰のレースです。そういう意味では、まずはそこに参加するだけでもすごいことですし、とても意味のあることだと思っています。世界に向けて、日本の競走馬のすばらしさをお見せできるいい機会――そういう場でもあると感じているからです。

 悔しい気持ちもありますが、結果がすべてではない。そんなことを思いながら、毎年凱旋門賞を見ています。

 少し前向きに考えるならば、日本馬がこれだけ挑戦を続けながら勝てないということは、これからも日本馬の初勝利に期待を膨らませて、この日を迎えることができるということ。「今年こそは!」と、今後も凱旋門賞を楽しみにできるのかなと思ったりもします。

 何年かに一度、日本馬が勝っている海外GIレースがある一方で、100回もの間で日本馬が一度も勝っていない海外レースがある。そこにも競馬のロマンがあると思いますし、それはそれでいいのかな、と思うこともあります。

 もちろん、日本馬に勝ってほしいと心の底から願ってはいますが、勝てないからこそ、気になり、どんどんのめり込んでしまう自分もいるのです。

 来年もまた、新たな馬たちが挑戦するのでしょう。凱旋門賞を勝つことは、日本競馬界の悲願と言われています。次はどの馬が凱旋門賞に挑むのか。そんなことを考えながら、来年のレースも楽しみにしたいと思います。

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