デビュー目前のアルファヒディ。ダービー馬シャフリヤールの弟はどれほどの器か (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

「池江調教師は『(アルファヒディは)先週あたりから動きがよくなっており、態勢は整いつつある』と言いつつ、性格がおっとりしているのか、『前向きさが足りず、追ってからの加速がまだ足りない』とも話していました。

 それでも、これから調教を重ねるなかで『気持ちが乗って、動きが良化してくれれば』と池江調教師。血統が血統だけに、求めるものが高いのでしょう」

 デビュー戦は10月24日の2歳新馬(阪神・芝1800m)。クリストフ・ルメール騎手が鞍上を務める予定だ。調教では同騎手も騎乗。リーディングを独走する名手は、こんな感触を口にしているという。

「調教では併走馬に遅れたこともあって、ルメール騎手は『まだこれからの馬』というジャッジでしたが、切れるというよりはワンペースなタイプなので、『1800mは合っている』と話していました。

 全体的な評価は辛口の印象がありますが、スタッフを含めて『いいものを持っている』という感触は誰もが一致しているようです」

 兄姉には活躍馬が並ぶだけに、アルファヒディに対する期待値は大きい。その分、調教段階から求められるものは自然と高くなっており、関係者から辛口のコメントが聞かれるのも無理はない。

 だが、動き自体は着実に上向いている。実戦の舞台でこそ、良血馬がその底力を発揮してもおかしくない。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る