本命不在の京都大賞典。「高配当の使者」がまたも100万馬券を演出か (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

「前走のGIIオールカマー(9月26日/中山・芝2200m)では5着に敗れましたが、2走前のGII札幌記念(8月22日/札幌・芝2000m)での競走中止(心房細動)から約1カ月と、万全な状態を整えるには間隔が短かったように思います。そういう意味では5着という成績も、むしろ地力の高さを示す結果だったのではないでしょうか。

 同馬を管理する矢作芳人調教師も、『前走は心房細動明けで手探り状態だった。そこから、今回は中1週でもよくなっている。心臓も明らかによくなって、上積みがあると思う』と色気を見せていました」

 京都競馬場の改修工事によって、今年は阪神が舞台となる。コースでの適性はどうか。太田記者が続ける。

「3走前に阪神で、同じく開幕週に行なわれたGII京都記念(阪神・芝2200m)において、のちに海外GIで奮闘する僚馬ラヴズオンリーユーの2着と健闘しています。6歳になっても堅実な走りを見せていますし、いい具合に人気を落としそうな今回、馬券圏内(3着以内)への期待が膨らみます」

 太田記者はもう1頭、キャリア豊富なダンビュライト(せん7歳)に注目する。

「こちらも、2走前に京都記念で3着と好走しています。また、コースは違いますが、2年前のこのレースで2着(6番人気)に入って、180万円超え馬券の片棒を担いでいます。

 かつて、GIの本馬場入場時に暴走するなど、テンションの高さが課題ではありますが、音無秀孝調教師によると、『(本馬場入場で)ダートコースを横切るとイレ込む』という悪癖があるそうです。この点、今回は芝コースからの入場なので問題ないでしょう。

 調教では今週も馬なりのまま坂路で52秒0という時計をマーク。絶好の動きを披露し、能力の衰えはまったく感じさせません。平常心でレースに臨めれば、一変の可能性もあると思います」

 ダンビュライトは4年前のGI皐月賞でも12番人気ながら3着に入って、100万馬券を生み出す一端を担った。まさに生粋の波乱演出馬でもある。今回も再び高配当をもたらすのか。ステイフーリッシュとともに、押さえておきたい。

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