神戸新聞杯でダービー馬は負けない。人気薄実績馬のヒモ穴狙いが吉と出る (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 吉田記者はもう1頭、白百合Sを勝ったセファーラジエル(牡3歳)も気になるという。

「馬場を踏まえれば、京都新聞杯を制したディープインパクト産駒のレッドジェネシス(牡3歳)に妙味があると思っていましたが、まだトモに甘さが残っており、反応面に課題があります。ポジショニングと流れを考慮すれば、うまく立ち回れなかった時に踏み遅れるシーンも......。

 青葉賞2着のキングストンボーイ(牡3歳)も、馬体や稽古の感触は悪くないのですが、本質的には上がりが速くなる勝負は不向きと見ています。そうした他の伏兵候補との比較から、セファーラジエルに食指が動きます。

 セファーラジエルは、馬体重が500kgを超える雄大なキズナ産駒。ストライドが大きく、速い脚は使えないため、今の馬場に課題があるのは確かです。それでも、直線でふらふらしながらも白百合Sを勝ったことは評価できます。

 その後はじっくりと英気を養ってグーンと成長。1週前のフォトバドックではトモのボリュームが足りなかったのですが、直後の1週前追いでビシッとやった効果でトモが膨らみ、前後のバランスが良化しました。

 最終追いでも以前よりもクビをうまく使えるようになって、トモ腰の強化は明白です。速い脚が使えない分はポジション取りでカバーできる可能性があり、メンバー的に前で引っ張ることもできそう。ペース配分次第では、粘り込みに期待する手はあります」

 菊花賞を占ううえでも重要な一戦。春の実績馬がそのとおりに強さを見せるのか。はたまた、夏を越して急成長を遂げた馬の台頭があるのか。必見である。

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