エフフォーリアの弟、ヴァンガーズハート。注目度高い期待馬は「見栄えがする馬格」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Kyodo News

 そのエフフォーリアの弟がデビューを控えた2歳馬の中にいる。兄と同じく美浦トレセンの鹿戸雄一厩舎に所属するヴァンガーズハート(牡2歳/父ハービンジャー)だ。

 同馬は当初9月初旬にデビューする予定で調整されていたが、調教の動きから一度放牧に出されることになった。陣営のその判断について、関東競馬専門紙のトラックマンはこう明かす。

「厩舎スタッフによると、『まだ馬体が緩く、調教を重ねるなかで良化すればと思っていたが、想定していたとおりの上昇曲線を描けなかった』とのこと。もともと入厩前に夏バテ気味だった経緯もあり、いったん放牧に出して立て直すことにしたようです。おそらく11月の東京開催あたりが、新たなデビュー目標となるのではないでしょうか」

 初陣の予定は白紙になったものの、この血統に対する陣営の期待は大きいという。トラックマンが続ける。

「緩さが残っているとはいえ、今は馬体が500kg近くあって『見栄えのする馬格』とスタッフ。気性的にもクセは見当たらず、『状態さえ上がってくれば、走ってくるタイプなのでは』と見ています。もちろん、周囲の期待は高く、デビューが決まれば注目すべき存在と言えるでしょう」

 デビューは先延ばしになったが、この休養がプラスに働いて素質開花につながる可能性は大いにある。エフフォーリアの弟として注目を集めるヴァンガーズハート。初陣を迎える日を楽しみに待ちたい。

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