堤礼実アナが選ぶ、2021年上半期GIベストレース「今年一番ドキドキした」 (2ページ目)
さて、2021年上半期の競馬界を振り返ってみると、今年もいくつもの名勝負が繰り広げられました。そこで今回、私が選ぶ上半期のGIベストレースを発表しようと考えてみたのですが、どのレースも甲乙つけがたく、ひとつだけ選ぶのはなかなか難しい作業でした。
それでも、悩んだ末に決めたベストレースは、日本ダービーです。
「やっぱりね」と思われた方も多いのではないでしょうか。私自身、写真判定となって着順が表示されるまでの時間は、今年一番ドキドキしたのではないか、というくらい興奮したレースでした。
勝ったシャフリヤールの強さはもちろんですが、2着に敗れたエフフォーリアもまた、すごく印象に残っています。素人目に見ても、完璧に近い競馬をしたのではないかと思いましたし、いろんな方に話を聞いても「満点のレースだった」とおっしゃる方が多かったですね。
お互い大きな不利もなく、100%の力を出し切った馬同士の戦いが見られた、という意味では非常に美しいレースだったと思います。
改めてレース映像を見直してみたのですが、4コーナーを回った辺りでは、ここからどの馬が伸びてきてもおかしくない、というほど見応えのある一戦でもあり、どの馬を応援している人にとっても、最後までドキドキしながら楽しめたレースだったのではないでしょうか。
日本ダービーをベストレースに挙げた理由は、ジョッキーにまつわるストーリーにも感銘を受けたからです。
シャフリヤールで勝った福永祐一騎手は、史上3人目のダービー連覇を達成。通算3度目の制覇は、武豊騎手に続く史上2人目の快挙です。
2018年にワグネリアンで初制覇を成し遂げるまでは、ダービーでなかなか勝てず、苦しい思いをしてきた福永騎手。しかし今では、悔しさをバネにした、人としての強さを感じます。
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