ディープのラストクロップ4頭がセレクトセールに登場。現場で聞いた「本当の価値」 (2ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by(c)Japan Racing Horse Association

 ゴーマギーゴーの2020はノーザンファームの生産馬。母ゴーマギーゴーは現役時代に北米でダート1700mと1800mの重賞を勝っており、同馬の兄ウォリアナも北米の重賞ウイナーという血統だ。

 セリではいきなり「2億円」という声がかかると場内が騒然。以降、じりじりと価格が上昇し、最後は3億円で落札された。熱狂のセールの流れはこの馬によって作られた。

 ディープ産駒2頭目の登場となったのは、ワッツダチャンセズの2020。追分ファームの生産で、母ワッツダチャンセズは北米で活躍し、芝のGIビヴァリーディーS(芝1900m)を含めて重賞3勝を挙げている。この他、GIブリーダーズC・ジュヴェナイルフィリーズターフ(芝1600m)など、重賞で複数回の入着を果たしている。

 母ワッツダチャンセズは、ロッタチャンセズ(牝4歳)、メルカデオ(牡3歳)とすでに2頭の馬を日本で生んでいる。ともにディープ産駒で、ロッタチャンセズは新馬勝ちを決めている。それらの全妹となるワッツダチャンセズの2020は、8000万円からスタート。1億2000万円で取引された。

 ディープ産駒3頭目に登場したジュエルメーカーの2020は、チャンピオンズファームの生産馬。母ジュエルメーカーは現役時代、JRAのダートを主戦場に4勝を挙げており、これが最初の産駒となる。

 ジュエルメーカーの兄にはオープン特別の万葉S(京都・芝3000m)を制しているマドリードカフェがいる。セリは8000万円からスタートとなったが、買い手がつかず、主(ぬし)取りとなった。

 この日の大トリを飾ったスイープトウショウの2020は、ノーザンファームの生産馬。母スイープトウショウは、秋華賞(京都・芝2000m)、宝塚記念(阪神・芝2200m)、エリザベス女王杯(京都・2200m)とGI3勝を挙げた名牝。宝塚記念では、ハーツクライやゼンノロブロイ、リンカーン、タップダンスシチーといった強豪牡馬を一蹴している。

 これまでの産駒からは重賞を勝つような活躍馬は出ていないが、同じディープ産駒のレガッタ(牡)は新馬勝ちを果たし、スイーズドリームス(牡7歳)は昨春4勝目を挙げてオープン入り。そうした血統背景もあって、最初のひと声「2億円」での落札となった。

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