横山ルリカが宝塚記念の人気馬を鋭く分析。クロノジェネシスの不安要素を挙げた (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

 それから乗り替わりの要素も、マイナス材料です。そして、一番意外なのがクロノジェネシスに騎乗するクリストフ・ルメール騎手が、宝塚記念では過去に一度も勝っていないどころか、馬券圏内にもきていないんです。サトノダイヤモンドやラブリーデイ、サートゥルナーリア、レイデオロといった有力馬に騎乗していながらです。このレースは特殊なので、もしかしたら、馬のタイプや適性が合わなかったのかもしれませんが、気がかりなデータではありますね。

 もうひとつ気になる点が、馬場状態です。今年は京都競馬場の大規模改修による変則開催で、例年4週目なのが2週目となり、よりきれいな馬場でレースが行なわれそうです。こういう馬場でクロノジェネシスは他の馬と比較してどうなのかな、と少し疑問が残ります。

 対するカレンブーケドールは、GI天皇賞・春(5月2日/阪神・芝3200m)で一番強い競馬をしたのではないでしょうか。牝馬でありながら積極的な競馬で最後までねばって3着。今回も内枠を引いて先行できれば、と思っていましたが7枠10番。あとは、タフな競馬だった前走の疲れがどこまで残っているか気になりますが、宝塚記念では初GI勝ちという馬が多いレースですし、今度こそGIを獲れるチャンスかもしれません。

 もう1頭の人気どころであるレイパパレ。この馬次第でレースの行方はかなり変わりそうです。逃げるのか、控えるのか、200m距離が伸びてどうなのか。斤量56kgはどうなのか。強くないと6戦6勝という成績でこられないとは思いますが、今回はマークされる立場になって競られる展開になった時にどうか。前走は道悪でコントレイルやグランアレグリアが苦手なパターンにこの馬が持ち込みましたが、そのパターンはクロノジェネシスにとっては苦手ではないです。今回道悪を苦にしない馬たちが多いので、そこでどういうパフォーマンスを出せるのか、能力の比較に悩みます。

 人気の牝馬3頭については、クロノジェネシス、カレンブーケドール、レイパパレの順番で、雨が降ったらレイパパレとカレンブーケドールを入れ替えようかと考えています。

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