宝塚記念を血統から占う。3年以上勝利なし、近走不調でも2頭の好走に期待大

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 馬券に絡んだ馬の人気と前走を見ると、タップダンスシチーはGⅡ金鯱賞を勝っての1番人気だったが、2006年2着のナリタセンチュリーはGⅠ天皇賞・春12着からの10番人気、同3着のバランスオブゲームはGⅠ安田記念17着からの9番人気、2018年2着の香港馬ワーザーは香港GⅢ6着からの10番人気で好走を見せている。キセキは今年に入ってGⅡ金鯱賞(中京/芝2000m)で5着、香港GⅠクイーンエリザベス2世C(シャティン・芝2000m)で4着とまずまずの走りを見せている。衰えを心配する必要はないようだし、今回好走する可能性も十分だ。

 もう1頭、血統的に気になる存在がメロディーレーン(牝5歳/栗東・森田直行厩舎)だ。

 父オルフェーヴルは2012年の宝塚記念勝ち馬で、同じステイゴールド×メジロマックイーン配合のドリームジャーニー(オルフェーヴルの全兄)とゴールドシップも宝塚記念を勝っている。母の父モチヴェイターは、仏GⅠ凱旋門賞やGⅠ仏ダービーを制したモンジューの産駒で、前述した2018年2着のワーザーと同じ。宝塚記念に縁のある配合と言える。

 また、今年はモチヴェイターを母の父に持つ馬が、国内外のGⅠで健闘している。ヴァンドギャルド(父ディープインパクト)がGⅠドバイターフ2着、本馬の半弟タイトルホルダー(父ドゥラメンテ)がGⅠ皐月賞2着に入った。

 メロディーレーンは前走のジューンS(東京/芝2400m)で10着と大敗し、近走の調子や実力的にも疑問符がつくのは確かだ。しかしこのレースは、昨年も12番人気のモズベッロが3着に入るなど、人気薄馬の好走も少なくない。血統的相性がいいこの馬にも可能性はあるはずだ。

 以上、今年の宝塚記念は、血統的に強調点の多いキセキ、メロディーレーンの2頭に期待する。

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