宝塚記念を血統から占う。3年以上勝利なし、近走不調でも2頭の好走に期待大

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 6月27日、阪神競馬場でGⅠ宝塚記念(芝2200m)が行なわれる。

 このレースはJRA上半期シーズンを締めくくる"春のグランプリ"。コントレイルやデアリングタクトなどが出走を回避したが、昨年の勝ち馬クロノジェネシス、無敗の大阪杯勝ち馬レイパパレの「中距離最強牝馬」の座をかけた対決は興味深い。今回はこの宝塚記念を、血統から占ってみたい。

 宝塚記念と相性がいい血のひとつが、キングマンボ系だ。代表的な存在であるキングカメハメハ産駒は、2015年ラブリーデイ、2018年ミッキーロケットで2勝。また、2012年にルーラーシップ、2016年にドゥラメンテが2着に入っている。

 母系に入っても存在感を示していて、このレースとはやや相性の悪いディープインパクト産駒唯一の勝ち馬マリアライト(2016年に8番人気で優勝)は、母の父がキングマンボ産駒エルコンドルパサー。2015年に10番人気で2着に入ったディープインパクト産駒デニムアンドルビーも、母の父にキングカメハメハを持っていた。2011年3着のキングズベスト産駒エイシンフラッシュも含めると、キングマンボの血を持つ馬が、ここ10年で9頭も馬券に絡んでいることになる。

 今年のレースに出走予定のキングマンボ系は、キングカメハメハ産駒のシロニイ、ルーラーシップ産駒のキセキ。この2頭では、ここ2年連続2着のキセキ(牡7歳/栗東・辻野泰之厩舎)がやはり有力だ。

2017年10月の菊花賞以来となる勝利を目指すキセキ2017年10月の菊花賞以来となる勝利を目指すキセキ キセキは3歳時にGⅠ菊花賞(京都/芝3000m)を制して以来約3年8カ月勝利がなく、"古豪"とも呼ばれるような馬齢だが、このレースの7歳馬の成績は悪くない。過去20年で29頭が出走し、2004年に勝ったタップダンスシチーなど4頭が馬券に絡んでいる。

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