ユニコーンSは種牡馬別成績を分析。激走の気配がある3頭に注目だ (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 他のヘニーヒューズ産駒も有力だ。ケイアイロベージ(セン3歳/栗東・野中賢二厩舎)は3戦2勝とキャリアは少ないが、高い素質を感じさせる存在。前走の3歳1勝クラス(阪神/ダート1800m)では、大外14番枠のスタートからダッシュが付かず、後方の外めを回る楽ではない展開だった。だが、道中ジワジワとポジションを上げ、直線でも長く脚を使って差し切り。最終的には2着に3馬身差をつけたように、スタミナと追ってからの末脚が魅力的だ。

 血統を見ると、母の父はこのコースと相性がいいクロフネで、3代母はGⅠマイルチャンピオンシップを勝ったシンコウラブリイという良血だ。ユニコーンSのレースの傾向として、1800m以上の距離で実績のある馬が強いというデータがあるのも心強い。

 そしてもう1頭のサンライズウルス(牡3歳/栗東・安田翔伍厩舎)は、前走の3歳1勝クラス(東京/ダート1400m)を勝ち、こちらも3戦2勝のキャリアでの参戦。前走は16頭立てで4コーナー11番手から一気に差し切るなど、末脚の破壊力は非凡なものを持っている。1600m以上は初となるが、この馬のように後方で脚を溜めるタイプは距離延長にも適応しやすい。

 血統を見ると、祖母ディナシーは不出走ながら、セレクトセールで6億円の値がついた馬。3代母トゥザヴィクトリーがエリザベス女王杯勝ち馬という良血だ。トゥザヴィクトリーはダート競馬の最高峰、首GⅠドバイワールドCでも2着に入っており、ダートでも大物が出る下地がある血統だ。

 以上、今年のユニコーンSは、3頭のヘニーヒューズ産駒に注目。ゲンパチフォルツァを中心に、ケイアイロベージ、サンライズウルスの激走にも期待したい。

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