アーモンドアイの二の舞は? 安田記念の大本命グランアレグリアが抱える不安 (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

「サリオス(牡4歳)は気になる存在ですね。前走の大阪杯で5着でしたが、馬場の悪い最内を突いてのもの。それでいて、4着のグランアレグリアとはコンマ2秒差。内容的には互角でした。

 この馬も2歳時にGI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)を完勝しているように、マイル戦は得意中の得意。昨秋以降、今ひとつ調子は上がっていませんが、本来の力を出すことができれば、グランアレグリアにひと泡吹かせるシーンがあってもおかしくありません」

 ただこのサリオスも、グランアレグリアが快勝した昨秋のGIマイルCS(阪神・芝1600m)で5着に敗れている。確かに、昨年のクラシック戦線で三冠馬コントレイルと人気を二分した馬であり、本来の力を発揮できれば、グランアレグリアをヒヤリとさせることはできるだろう。だが、おそらくそれが精いっぱい。肉薄止まりではないだろうか。

 グランアレグリアの最大目標は、今秋のGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)を勝って、大阪杯で果たせなかった2000m戦でも"最強"であることを証明することだと言われている。もしその目標が達成されれば、スプリント、マイル、2000mのGI制覇という史上初の快挙を成し遂げることになる(グレード制導入後)。

 そのためにも、ここは負けられない。そうした陣営の意欲も加味すれば、今年の安田記念は結局のところ、グランアレグリアで「テッパン」だ。

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