アーモンドアイの二の舞は? 安田記念の大本命グランアレグリアが抱える不安 (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 ヴィクトリアマイルと安田記念は中2週。仮にアーモンドアイの敗戦が、激戦の積み重ねからくる目に見えない消耗や、中2週という短期間でのGI連戦にあったとすれば、グランアレグリアも同じ轍を踏まない、とは言い切れない。

 ましてや、ヴィクトリアマイルの前のレースが、アーモンドアイは前年暮れのGI有馬記念(中山・芝2500m)であるのに対して、グランアレグリアは今年4月の大阪杯と、間隔が短い。しかも、大阪杯では泥んこの極悪馬場で、かなりの消耗戦を強いられている。蓄積された消耗はアーモンドアイ以上、と言えるかもしれない。

 はたして、これでもグランアレグリアは本当に「テッパン」と言えるのか。

「今回のグランアレグリアについて、『中2週不安説』というのはあるようですね。でも、大丈夫ですよ。少なくとも、前走の反動で"走れない"ということはないでしょう。グランアレグリアは前走後、3日で稽古を始めていますから。もし反動があったとしたら、レース後3日で乗り出すことなんてできませんよ。だから、今回の安田記念でも『テッパン』です」

 そう語るのは、競馬専門紙記者である。

 改めて振り返ってみれば、昨年のアーモンドアイは負けたと言っても、負かした相手が今年の主役であるグランアレグリアで、その他の馬には負けていない。

 となれば、アーモンドアイの敗因は激戦の疲れとか、中2週のローテーションとかではなく、単純にマイル戦ではグランアレグリアのほうがそれだけ強かった、ということではないか。

 この中間、グランアレグリアには爪の不安も報じられたが、管理する藤沢和雄調教師は「問題ない」と強調。事実、1週前の追い切りでは、坂路を軽快に駆け上がって元気なところを見せている。

 やはり、グランアレグリアは「テッパン」と見たほうがいい。

 それでも懸念をひとつ挙げれば、相手関係か。前出の専門紙記者が言う。

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