サトノレイナス、日本ダービーの勝算は? 国枝栄調教師にズバリ手応えを聞いた (3ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 ルメさんが(ダービーで)空いていなかったら? どうだったんだろうねぇ......。それは、そうなってみないとわからないよね(笑)。

 そうして、こちらからオーナーにダービー出走を提案しました。そうしたら、『先生とルメさんがいいなら、行きましょう』と、快諾してくれました」

――これまで、国枝厩舎からは計7頭の馬がダービーに挑戦しています。それらと比べて、今回の手応えはいかがなものでしょうか。

「個人的な手応えは、それらと比較しても『(サトノレイナスのほうが)上かな』と思っています。あと、これまでにダービーに出走した馬は、ちょっとまだ成長が遅かったかな。

 サトノフラッグや姉のバラダガールと比べても、レイナスが一番早い段階から動けていました。気持ちも、身体も、兄姉の中で抜けてよかったよね。前向きでもあるし、そういう意味でも"ダービーへの適性"は高いと思います。

 この時期に、牝馬が牡馬相手に2400mを走るというのも、以前なら『厳しいかな』という考えがありました。でも、近年の"強い牝馬"を見ていると、今の段階でもある程度やれる馬であれば、勝負になる気がしています」

――今回のダービー挑戦について、実はアーモンドアイをダービーに挑戦させたかったという心残りが、国枝調教師にはあるのではないかと思っているのですが、いかがでしょうか。

「うん、まあねぇ......(苦笑)。調教師に限らず、競馬関係者にとってダービーというのは、ひとつの夢であり、目標でありますよね。チャンスのある馬がいれば、『狙いたい』と思うのは当然のこと。アーモンドアイは牝馬三冠を目指す流れになりましたけど、現実に(ダービーに)出ていたら『面白かっただろうな』というのはあります。

 確かに(自らの)定年も近いのでね(笑)。だからといって、(ダービー制覇を果たしていないことに)焦りはなく、なんでもかんでもダービー出走、とは思っていません。でも、能力のある馬であれば、牡牝関係なく、(ダービー制覇を)狙いにいきたいなという気持ちはあります」

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