サトノレイナス、日本ダービーの勝算は? 国枝栄調教師にズバリ手応えを聞いた (2ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

――しかし結果は、残念ながら2着。後方から猛然と追い込んだものの、ソダシにクビ差届きませんでした。

「ルメさん(クリストフ・ルメール騎手)も話していましたが、内枠なら阪神JFの時のようにインに潜り込んで、ということもできたんでしょうが、外枠(8枠18番)でしたからね。加えて、ちょっとエンジンがかかるのが遅かったので、あんな競馬になっちゃった、という感じ。

 レイナスの走りを見れば、もうちょっと距離があれば......というのは感じますから。(マイル戦に)より適性の高い馬に完璧な競馬をされてしまうと、さすがに厳しいですよね」

――「もうちょっと距離があれば......」ということであれば、GIオークス(5月23日/東京・芝2400m)で「今度こそ逆転を」と考えると思ったのですが、ダービー挑戦を選択しました。しかも、その選択は早い時期から視野に入っていたと聞いています。

「全兄のサトノフラッグも昨年、GII弥生賞を勝ってクラシックに向かいましたが、同馬と比べても『レイナスのほうが能力は上だな』と早い段階から思っていました。そこで、ダービーも含めて、クラシック登録はしておいたんです。(牡馬と)同斤量だったら、ちょっと考えるところもあったけれど、牝馬で(斤量で)2kg差もらえるなら、チャンスがあるかな、と」

――ということは、一冠目から皐月賞に向かう選択肢もあったのでしょうか。

「オーナー(里見治氏)がまだ牝馬のGIを獲られていなかったので、2歳時にはまず阪神JFを使いました。そこで2着に来て(GI獲得も)なんとかなるんじゃないかと思って、桜花賞へ向かいました。

 結局、桜花賞も負けてしまったんですけど、内容自体は勝ちに等しいものだった。それで、『これなら(ダービーへ)』と思ったんです。

 そこで、ルメさんにも相談して『どうだ?』と聞いたら、『(ダービーに)行くなら乗りたい』と。それが、一番の決め手になりましたね。

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