ダービー挑戦を決めたサトノレイナス。ルメール騎手は「何の不安もない」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

 こうなれば、「オークスでこそリベンジを」という期待が膨らんだが、陣営はダービーへの参戦を決めた。その選択にはどんな理由があったのか、関東競馬専門紙の記者はこう伝える。

「阪神JF辺りから、陣営は『マイルは短い』と言っていて、桜花賞よりもオークスの2400m戦に適性を見出していました。また、一度は2月のGIII共同通信杯(2月14日/東京・芝1800m)の出走も検討していた様子。実現はしませんでしたが、牡馬相手のレースに挑戦する意向は以前からあったみたいです。

 最終的には、国枝調教師が牡馬クラシックではいまだ未勝利であること、クリストフ・ルメール騎手がダービーで騎乗できること、さらにはオーナーの判断など、さまざまな要素がそろって出走が決まったようです」

 サトノレイナスは牝馬でありながら、牡馬クラシックの登録も行なっており、国枝調教師は早くから同馬の能力の高さを買っていたと言える。そして、実際にダービー挑戦を決め、この中間の調整も至って順調だという。先のトラックマンが続ける。

「ルメール騎手が2週連続で調教に乗りましたが、『すばらしい動きで、何の不安もない』と話しています。陣営も『桜花賞でも最後の脚は一番際立っていた』と言って、距離が延びる一戦にかなりの手応えを感じているようでした。本気で『勝機あり』と踏んでいますね」

 牝馬によるダービー制覇となれば、2007年のウオッカ以来14年ぶり、史上4頭目となる。ウオッカも桜花賞2着からの参戦だった。

 はたして、サトノレイナスはウオッカに続く快挙を成し遂げることができるのか。注目の一戦まで、まもなくである。

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