NHKマイルCはキズナ産駒3頭に注目。血統的ジンクスに当てはまらない馬で勝負 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 勝利がない父系は、キングカメハメハ、ロベルト、ダンチヒ、サドラーズウェルズ、ストームキャット。キングカメハメハは自身がNHKマイルC勝ち馬で、その父キングマンボ産駒のエルコンドルパサーも勝利しているが、産駒となると2015年ミュゼスルタン、2018年レッドヴェイロンの3着が最高だ。

 ロベルト系は、ブライアンズタイム(7頭)やシンボリクリスエス(5頭)といった産駒が多数出走しているが、2002年に単勝1.5倍の1番人気に推されたタニノギムレット(父ブライアンズタイム)も3着に敗れている。今年のメンバーでは、モーリス産駒の2頭(ピクシーナイト、ルークズネスト)、エピファネイア産駒の2頭(シティレインボー、スペシャルドラマ)が当てはまる。

 ダンチヒ系に当てはまるのがシュネルマイスター、サドラーズウェルズ系に当てはまるのがグレナディアガーズ、ショックアクションの2頭。ここまでに挙げたかなりの実績馬が"勝ったことがない父系"に該当している。

 こういった血統的ジンクスは気づいた頃には破られることが多く、鵜呑みにしすぎないほうがいい部分もある。ただ、該当する馬に絶対的な存在はいないので、今回はジンクスに当てはまらない馬を中心に考えたい。

 登録馬25頭のうち、ジンクスに当てはまらなかった馬は10頭。残ったのはすべてサンデーサイレンス系となった。

 その中で断然の存在と言えるのが、バスラットレオン(牡3歳/栗東・矢作芳人厩舎)。前走のGⅡニュージーランドT(中山/芝1600m)を5馬身差で圧勝しており、人気の一角だ。

 父は日本ダービー馬キズナで、母の父は英ダービー馬ニューアプローチという血統。ニューアプローチの父系祖父は、欧州の大種牡馬サドラーズウェルズで、直系の馬は前述のように勝利がない。しかし、母系にこの血を持つ馬は、1998年エルコンドルパサー、2009年ジョーカプチーノ、2016年メジャーエンブレム、2019年アドマイヤマーズの4頭が勝利しており、昨年2着のレシステンシアも持っていた。

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