天皇賞・春の伏兵馬は? 過去の傾向に即した「消去法」で残った2頭 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 2つ目は、過去10年で馬券圏内に入った馬はすべて、重賞勝ち、あるいは重賞で連(2着以内)に絡んだ経験があった。

 今回のメンバーでは、ジャコマル(牡7歳)、シロニイ(牡7歳)、ナムラドノヴァン(牡6歳)には、そうした経験がなく、これら3頭も候補から外れる。

 3つ目は、過去10年で牝馬は馬券圏内に一度も入っていない、ということ。近年では、混合GIでも牝馬優勢の時代が続いているが、3200mという過酷なレースとなる春の盾では、牡馬のスタミナやパワーのほうが勝るのだろう。

 よって、人気が予想されるウインマリリン(牝4歳)とカレンブーケドール(牝5歳)がここで脱落となる。

 以上の条件をクリアしたのは、アリストテレス(牡4歳)、オセアグレイト(牡5歳)、オーソリティ(牡4歳)、ディープボンド(牡4歳)、マカヒキ(牡8歳)、メイショウテンゲン(牡5歳)、ユーキャンスマイル(牡6歳)、ワールドプレミア(牡5歳)の8頭となる。

 これらが、今回の天皇賞・春で好走しそうな面々となるが、ここで推奨するのは、あくまでも"穴馬"。となると、上位人気を争うことが予想されるアリストテレス、ディープボンド、ワールドプレミアの3頭は、あえて対象外としたい。

 残ったのは、5頭。ここで、改めて過去10年の結果をつぶさに見てみると、上位に食い込んでいる人気薄の多くが、前走でも好走していることがわかった。

 2011年に7番人気で勝ったヒルノダムール(前走=大阪杯1着)をはじめ、同年に5番人気で3着となったナムラクレセント(前走=阪神大賞典1着)、2013年に6番人気で3着と善戦したレッドカドー(前走=ドバイワールドC2着)、2014年に12番人気で3着に突っ込んできたホッコーブレーヴ(前走=日経賞2着)、2015年に7番人気で2着と好走したフェイムゲーム(前走=ダイヤモンドS1着)、さらに2017年に4番人気で2着に入ったシュヴァルグラン(前走=阪神大賞典2着)、2018年に4番人気で3着に入線したクリンチャー(前走=阪神大賞典3着)、2019年に6番人気で2着と奮闘したグローリーヴェイズ(前走=日経新春杯1着)、2020年に11番人気で2着と健闘したスティッフェリオ(前走=日経賞3着)、同年に4番人気で3着に来たミッキースワロー(前走=日経賞1着)らがいい例だ。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る