マイラーズCで新マイル王が誕生か。候補はキングカメハメハ産駒の2頭だ (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 また、母の父ロックオブジブラルタルは、GⅠ英2000ギニーなどマイル戦5勝を含む欧州GⅠ7勝の名マイラーで、母の父としては日本でGⅠ2勝のミッキーアイル(父ディープインパクト。GⅠNHKマイルC、GⅠマイルチャンピオンシップ)を出している。さらに、祖母エアメサイアはGⅠ秋華賞の勝ち馬という良血で、近親にはGⅠ皐月賞、GⅠ菊花賞を勝ったエアシャカールがいる一流牝系でもある。

 今回のマイラーズCで一緒に走るエアスピネル(牡8歳/栗東・笹田和秀厩舎)は、同じ父を持つ4歳違いの叔父という間柄になる。

 エアスピネルは今年に8歳を迎えたものの、前走のGⅠフェブラリーS(東京/ダート1600m)で2着に好走して存在感を示した。芝のレースは2019年7月のGⅢ函館記念(13着)以来、約1年9カ月ぶり。しかし、GⅡデイリー杯2歳Sなど、重賞3勝はすべて芝マイル戦で、GⅠでもGⅠ朝日杯フューチュリティS、GⅠマイルチャンピオンシップで2着に入った実績がある。

 マイラーズCでは2017年に2着、2018年に3着と、いずれも1番人気に推されながら惜敗しているが、近走の充実ぶりを見る限り、ここで激走しても不思議はない。甥っ子の勢いも気になるが、叔父の奮起にも期待したいところだ。

 以上、今年のマイラーズCは、エアロロノアの新星誕生に期待しつつ、古豪エアスピネルの激走にも期待したい。

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