オヌールが「打倒ソダシ」へ虎視眈々。母はフランスオークス馬の超良血 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

 このあと、狙いをオークスに絞って、トライアルのGIIフローラS(4月25日/東京・芝2000m)に向かうことを決めた。もしここで3連勝を決めれば、オークスでは期待の新星として注目されることになるだろう。

 同馬を管理する厩舎スタッフの評価はどれほどのものなのか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「姉のデゼルと同様、『レース前半は本気で走らないところがあり、エンジンのかかりが遅い』とスタッフはこぼしています。しかし、『一度エンジンがかかってからはすばらしい末脚を使う』と、その脚力には目を細めていました。距離延長については『母は向こうのオークスを勝っており、問題ない』とのこと。大一番に向けても、自信を見せていますね」

 ただ、オヌールは馬体重410kg台と、牝馬としても小柄なほう。その点については、陣営も若干の不安は感じているようだ。

「陣営の見立てでは『体は小さいものの、馬体はしっかりしていて、柔らかみもある』と、小柄な馬体についてはネガティブに捉えていません。しかしながら、関東への長距離輸送での馬体減については心配しているようです。オークス出走を考えれば、短期間で2度の長距離輸送をこなすことになりますから、なおさらです。

 それでも、『輸送が続くのは正直きついけど、こればかりは仕方がない』とスタッフ。最善のケアを施す姿勢を見せて、この春一番の目標に向けて抜かりはないようです」

 世界的な良血馬オヌール。オークスへの出走権をつかんで、本番では桜花賞上位勢を脅かす存在となるのか。まずは、フローラSの走りに注目である。

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