オヌールが「打倒ソダシ」へ虎視眈々。母はフランスオークス馬の超良血

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2021年クラシック候補たち
第16回:オヌール

 4月11日に行なわれた3歳牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(阪神・芝1600m)は、2歳女王のソダシが戴冠。白毛馬として初のクラシック制覇という快挙を成し遂げた。

 いまだ無傷の5連勝。二冠目となるGIオークス(5月23日/東京・芝2400m)でも、桜花賞で僅差の2着となった宿敵サトノレイナスとともに、上位人気に推されることは間違いないだろう。

 しかし、そうした既成勢力の牙城崩しを虎視眈々と狙う超良血馬がいる。栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するオヌール(牝3歳/父ディープインパクト)である。

オークス出走を目指す良血馬オヌールオークス出走を目指す良血馬オヌール 父は、言わずと知れた大種牡馬ディープインパクト。母は、2014年にGIフランス1000ギニー(フランス・芝1600m)とGIフランスオークス(フランス・芝2100m)を制したアヴニールセルタンである。

 アヴニールセルタンは引退後、社台ファームで繁殖生活をスタート。彼女の初子で、オヌールのひとつ上の姉となるデゼル(牝4歳/父ディープインパクト)も、デビュー2連勝でオープン特別のスイートピーS(東京・芝1800m)を制し、オークス出走を果たした(11着)。

 そして先日、GII阪神牝馬S(阪神・芝1600m)を快勝。重賞初制覇を遂げた。

 そんな姉にも劣らぬ能力を秘めるオヌールは、昨秋の2歳新馬(11月8日/阪神・1800m)でデビュー。牡馬相手に鮮やかな勝利を飾って、1勝クラスのアルメリア賞(3月7日/阪神・芝1800m)に挑んだ。

 同レースでも、牡馬相手に引けをとらないレースを披露。道中3番手を追走し、直線での熾烈な叩き合いを制して2勝目を挙げた。

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