皐月賞・中山/芝2000mを制する血統は? 有力馬2頭の適正を分析

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 4月18日、中山競馬場で「3歳牡馬クラシック三冠」の第1弾、GⅠ皐月賞(芝2000m)が行なわれる。

 GⅠ朝日杯フューチュリティSの勝ち馬であるグレナディアガーズはマイル路線に回ったが、GⅠホープフルSを勝った最優秀2歳牡馬ダノンザキッド、前哨戦のGⅡ弥生賞を勝ったタイトルホルダー、GⅡスプリングSを勝ったヴィクティファルスが集結。ほかにも、GⅢ共同通信杯のエフフォーリア、GⅢきさらぎ賞のラーゴム、京成杯のグラティアスなど、多くの実績馬が揃った。

 そんな今回のレースを、「血統から見る、中山/芝2000mで台頭する馬」というテーマで分析。その視点で筆者がもっとも注目するのは、アドマイヤハダル(牡3歳/栗東・大久保龍志厩舎)だ。

2連勝で皐月賞に臨むアドマイヤハダル2連勝で皐月賞に臨むアドマイヤハダル 同馬の父ロードカナロア産駒の芝距離別成績は、1200mが112勝(831戦)、1600mが91勝(792戦)と短距離の勝利が約半数を占める。だが、2000mは304戦と出走数が少ないながらも38勝を挙げており、勝率は12.5%。1200mの勝率(13.5%)には及ばないが、1600mの勝率(11.5%)より高い数字を残している。

 さらに芝2000mの成績を競馬場別に見ると、中山が8勝で最多。勝率も16.0%と高い。代表的な例では、サートゥルナーリアが2019年の皐月賞、2018年のGⅠホープフルSを勝利。今年のGⅢ京成杯でも、タイムトゥヘヴンが2着に入っている。中山の直線は310mと、525.9mある東京コースなどに比べて短いため、器用さとスピードで押し切れることが多いのだ。

 アドマイヤハダルは、まさに器用さとスピードを兼ね備えている。前走の若葉S(阪神/芝2000m)では好位3、4番手から早めに先頭に立ち、2着に3馬身差をつけて圧勝した。若葉Sは弥生賞やスプリングSに比べると注目度は落ちるものの、2019年の勝ち馬ヴェロックス、2012年の勝ち馬ワールドエースが、次走の皐月賞で2着に入っている。さらに遡れば2007年の勝ち馬ヴィクトリーが勝利するなど、本番で好走する馬も多い。

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