皐月賞へ注目度UP。トライアルを圧勝し名手を確保したアドマイヤハダル

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2021年クラシック候補たち
第15回:アドマイヤハダル

 3歳牡馬クラシック第1弾のGI皐月賞(中山・芝2000m)が4月18日に行なわれる。今年は、さまざまな前哨戦、ステップレースから有力馬が集結。稀に見る混戦模様となっている。

 そんななか、直前のトライアルを快勝し、本番に向けて注目度が増している馬がいる。栗東トレセンの大久保龍志厩舎に所属するアドマイヤハダル(牡3歳/父ロードカナロア)である。

皐月賞へ向けて注目度が増しているアドマイヤハダル皐月賞へ向けて注目度が増しているアドマイヤハダル 昨夏の2歳新馬(8月1日/新潟・芝1800m)でデビューした同馬は、その初陣を見事に勝利して、2戦目にはリステッド競走のアイビーS(10月24日/東京・芝1800m)に挑んだ。道中は中団やや後方を追走。直線に入って馬群の間から抜け出しを図るも、他馬との激しい競り合いに屈して4着に敗れた。

 続く3戦目は1勝クラスのエリカ賞(12月12日/阪神・芝2000m)に出走。ここでは、好スタートから2番手の好位につけた。そのまま直線入口で早めに先頭に立って、逃げたスパイラルノヴァと叩き合いを演じた。そして、ゴール手前で同馬を振り切ると、のちにリステッド競走のすみれSを圧勝するディープモンスターらの追撃も抑えて2勝目を挙げた。

 圧巻だったのは、4戦目となる皐月賞トライアルの若葉S(3月20日/阪神・芝2000m)。道中4番手につけて、4角手前から徐々に進出していくと、直線では外から一気に抜け出しを図った。その伸び脚は非常に力強く、残り200m付近で先頭に立ってからは、後続をまったく寄せつけずに突き抜けた。

 上がりタイムは、メンバー最速タイの33秒7をマーク。2着に3馬身差をつけての完勝だった。勝ち時計も2分を切って、1分59秒5。この時期としては、優秀なタイムと言える。

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