2021.04.10

桜花賞は阪神マイルの実績重視。2強の他「遅れてきた大物」への期待大

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 実際、今年の出走馬を見てみると、6つの重賞、3つのリステッド競走と、計9つものレースからここに臨んできています。加えて、それぞれ未対戦という馬が多数います。結果、ワンターンの外回りのマイル戦というクセのないコースでの大一番でありながら、予想は難解を極めます。

 つまり、ここ数年と同様、今年も「特異なローテンションによる成否の見極め」と「前哨戦それぞれの力量比較」をきちんと検討することが、桜花賞の行方を占う"肝"になると思います。

 まずローテーションで言えば、昨今は外厩施設の充実が著しいため、一部オーナーブリーダーが"ぶっつけ策"を打ってくることが多いです。それは、それだけ外厩での仕上げに自信があると言えます。現に今年も、前述した"ぶっつけ組"の直前の追い切りなどを見る限りでは、どの馬も久々であることを感じさせませんでした。

 そうした状況にあって、実力面で言えば、同じ阪神マイルの舞台で結果を残してきた馬を重視したいと思っています。なぜなら、桜花賞を目指すうえで、阪神マイルの主要ステップレースは、得てしてメンバーがそろいやすく、他のステップレースに比べてペースや時計面などにおいて、馬の地力が問われるレースになりやすいからです。

 そうなると、昨年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月13日/阪神・芝1600m)を制したソダシと、僅差の2着となったサトノレイナスには一目置かざるを得ません。

 特にソダシに関しては、唯一の無敗馬。その実績だけでも中心視するのは必然と言えますが、レース内容も幅広く、高い評価を受けるに値します。キャリア2戦目のGIII札幌2歳S(札幌・芝1800m)こそ、ハミがかりがよすぎて危うさを覗かせたものの、続くGIIIアルテミスS(東京・芝1600m)ではスローペースのなか、うまく折り合って先行。直線、外目から抜け出して、そのまま押し切りました。

 そして阪神JFでは、馬群の中で脚をタメる形で追走。そのため、直線では前が壁になって、切れ味よりも長く脚を使うことに富んだ馬ながら、早めのスパートをかけることができませんでした。にもかかわらず、最終的には接戦を制してハナ差、凌ぎました。

 以前はジョッキーも乗り難しさを懸念していたそうで、その不安点はいまだ完全にクリアできたとは言い難いものがあります。しかし、対応力の高さ、ハイレベルな争いを勝ってきたことから、大崩れは考えづらいです。軸として、信頼度の高い存在と言えるでしょう。