安藤勝己の「3歳牝馬番付」。激戦のクラシックは「2強」で絶対か?

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

小結:シゲルピンクルビー(牝3歳)
(父モーリス/戦績:3戦2勝、着外1回)

 この馬は、フィリーズレビューのレースぶりがよかった。好スタートから一度下げて内に入れ、直線を迎えて馬群の真ん中を割って伸びてきた。なかなか味なレースだったよ。

 しかも時計が速くて、勝ち時計(1分20秒7)はレースレコードをマーク。馬場差があるので一概には言えないけれども、この時期、芝1400mのレースを1分20秒台で走れる馬はそう多くはない。力がある証拠だ。

 阪神JFでは惨敗(17着)を喫しているから、(実力的に)わからない部分もあるが、それを除けば2戦2勝。一度の惨敗で見限るわけにはいない。

 それに、姉のシゲルピンクダイヤ(牝5歳)も桜花賞2着など、結果を残している。姉に比べると、性格がよさそうだし、操縦性もいいように見える。1600mにも十分に対応できるだろう。

 フィリーズレビュー組は、本番の桜花賞での実績は乏しいけど、この馬は面白いと思う。


前頭:エリザベスタワー(牝3歳)
(父キングマン/戦績:3戦2勝、着外1回)

 チューリップ賞は1着同着。もう1頭のメイケイエール(牝3歳)が引っかかり通しで、「本番でどうだろうか?」という疑問がある分、こちらのほうを上と見る。

 実はこの馬、デビュー当時から素質の高さを評価する声が、あちらこちらから聞こえてきた。調教の動きからして、他の馬とは違ったらしい。その評価が結果に結びついたのが、チューリップ賞だったというわけだ。

 とはいえ、自分の目にはチューリップ賞でもまだ本気で走っていないように見えた。現に手綱を取った川田将雅騎手もレース後、「ぜんぜん力を出し切れていない」と話していた。それでも勝つのだから、能力は高い。

 本当によくなるのはまだ先かもしれないけれど、素質がトップレベルなのは間違いない。本番までにどこまでよくなるのか、それ次第で上位争いも十分に考えられる。

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