堤礼実アナが記念すべき「宙に浮いた」日。新人騎手と自身の初陣を語る (3ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 一方で、少し寂しいニュースもありました。蛯名正義騎手の引退です。騎手としての蛯名さんがもう見られなくなるのは、正直、残念です。

『みんなのKEIBA』でも、蛯名さんのインタビューが放送されました。それを聞いて印象的だったのは、「応援してもらうことも、ヤジを飛ばされることもあったけれど、その両方があったからここまでやってこられた」という話です。

 私も人前に出る仕事をしているので、見知らぬ人の言葉に一喜一憂してしまうこともあるのですが、どちらも経験するから人間は成長できる。蛯名さんのような一流ジョッキーでも、順風満帆に騎手人生を歩んできたわけではなく、いろんな経験をされてその地位に立つことができたんだなと、改めて気づかされました。

 そんな蛯名さんは、今後は調教師として競馬に携わることになります。インタビューの中で蛯名さん自身、「引退」ではなく「卒業」という言葉を使われていました。騎手を卒業し、新たな世界に挑戦する"蛯名調教師"を、これまで同様に応援したいと思います。

 ゆくゆくは蛯名さんが調教師として育てた馬に、競馬学校同期の武豊騎手が騎乗したり、騎手として日本ダービーを勝つことができなかった蛯名さんが、調教師としてダービー馬を育てたり、そんなことがあるかもしれません。もし蛯名厩舎の馬に武豊騎手が乗ってダービーを勝ったりしたら、泣いてしまいますね、きっと。

 競馬はレースを見るだけでなく、さまざまな角度からの見方があって、知れば知るほど奥が深くて面白い。やっぱり競馬はロマンがあっていいですね。

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