高松宮記念の「2強」ダノンスマッシュとレシステンシアを徹底比較!

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 さらに、6歳以上馬の勝利は2015年のエアロヴェロシティ(セン7、香港)以降途絶えており、日本調教馬では2011年のキンシャサノキセキ(牡8)まで遡らないといけない。サラブレッドはレース経験を重ねるほど"ズブさ"が見られて反応が悪くなる傾向があり、短距離では一瞬の反応の鈍さが致命的な敗因になりがちだ。

 ましてやダノンスマッシュは休み明け。「レース間隔10週以上の6歳以上馬」は過去に延べ21頭が出走しているが、最高着順は2017年レッドファルクスの3着と、馬券に絡んだ馬は1頭しか出ていない。

 また、ダノンスマッシュの父ロードカナロアの産駒は今年、初めて初年度産駒の6歳馬がレースに出走していることになるが、これまでに6歳馬が挙げた4勝は平場1勝クラスが1勝、平場2勝クラスが2勝、3勝クラスが1勝という内訳。重賞では、GⅢ京都牝馬Sで1番人気ながら11着に敗れたリリーバレロなど、8戦して3着以上なしという成績が残っており、血統的な成長力にも疑問が残る。これだけ不安材料があるダノンスマッシュはちょっと推しにくい。

 一方のレシステンシアは、明け4歳で今回が9戦目と実にフレッシュな存在だ。昨年11月のGⅠマイルチャンピオンシップ(京都/芝1600m)で8着に敗れたあと、今年は2月28日の阪急杯で始動。プラス8kgと馬体面でも成長を見せ、レースではハナを奪って2着に2馬身差をつける完勝だった。

 父ダイワメジャーの産駒では、2014年の勝ち馬コパノリチャードが、同じく4歳初戦の阪急杯を勝ってここに臨み、見事勝利を飾っている。逃げ脚を武器とする脚質も共通だ。

 今回は初の芝1200mとなるのが不安と見る向きもあるだろうが、コパノリチャードも芝1200mの経験はなかった。他にも、2006年のオレハマッテルゼ、2007年のスズカフェニックス、2019年のミスターメロディと、芝1200m初挑戦で勝利した馬は複数いる。1400mで逃げられるスピードがあれば1200mにも対応できるし、レシステンシアは逃げなくても力を発揮できるタイプなので、それほど心配しなくてもいいだろう。

 以上、2強の比較ではレシステンシアを上と見て、ダノンスマッシュは軽視というスタンスで臨みたい。

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