「欠点がなく、総合力が高い」ディープモンスターは大舞台で躍動するか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2021年クラシック候補たち
第12回:ディープモンスター

 2012年から種牡馬リーディングのトップを独走しているディープインパクト。同馬は2019年に亡くなっており、残す産駒は現3歳世代と今夏デビューする2歳世代、来年デビューする1歳世代がほんのわずかにいるだけ、となっている。

 そんななか、3歳世代から楽しみな1頭が登場した。栗東トレセンの池江泰寿厩舎に所属するディープモンスター(牡3歳/父ディープインパクト)である。

すみれSを快勝し、皐月賞に向かうディープモンスターすみれSを快勝し、皐月賞に向かうディープモンスター 同馬は当初、8月にデビューする予定だったが、レース直前に放馬。競走除外となってしまった。しかしその後、仕切り直しのデビュー戦となる2歳新馬(10月31日/京都・芝2000m)を快勝。好位3番手からそつのない競馬を見せて、余裕たっぷりで初陣を飾った。

 続く1勝クラスのエリカ賞(12月12日/阪神・芝2000m)では2着に惜敗するも、雪辱を期して挑んだ同クラスの梅花賞(1月17日/中京・芝2200m)で鮮やかな勝利を決める。中団待機から直線で馬群を割って抜け出すと、残り200mを切って先に抜けたヴェローチェオロをとらえ、そのまま突き抜けた。

 そして、オープンクラスのすみれS(2月28日/阪神・芝2200m)に参戦。スタート後に外へよれてしまうが、道中はじっくりと後方を追走。4コーナー手前から一気に進出していって、直線を迎えると、大外から内を行くライバルたちをまとめてかわした。

 スタートのロスをものともせず、最後は後続に2馬身2分の1差をつける圧勝。この豪快な勝ちっぷりによって、クラシックの有力候補として注目を集めることになった。

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