金鯱賞はデアリングタクトにつけ入る隙。三冠牝馬を脅かしそうな2頭は? (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 最近は2400m以上の長距離戦に出走することが多く、2000mの出走は2018年の佐渡S(1600万下、新潟、1着)以来約2年8カ月ぶり(9走前)となるが、1800mでも勝利がある。ジャパンCでもスッと好位につけ、勝負どころでは早めに動いて勝ち負けに加わっており、この距離に対応できると見ている。ジャパンCでデアリングタクトと4kg差があった斤量が、今回は2kg差に縮まるのも好材料だ。

 もう1頭、ブラヴァス(牡5歳/栗東・友道康夫厩舎)を挙げたい。同馬は昨年のGⅢ新潟記念(新潟/芝2000m)で重賞初制覇を挙げた、いわば"格下"の馬だが、前走のGⅢチャレンジC(阪神/芝2000m)でも2着。全13戦で5勝、2着4回、3着1回とかなり安定した走りを続けている。

 血統は、父が名種牡馬キングカメハメハで、母ヴィルシーナは2013年、14年のGⅠヴィクトリアマイルの勝ち馬。母の弟妹にはシュヴァルグラン(GⅠジャパンC)、ヴィブロス(GⅠドバイターフ、GⅠ秋華賞)がいる良血だ。ヴィルシーナは5歳時にヴィクトリアマイルを勝ち、シュヴァルグランも5歳時にジャパンCを勝利と、4歳以降の成長力がこの血統の長所でもある。今年のさらなる飛躍が期待できる馬だ。

 以上、今年の金鯱賞は、グローリーヴェイズ、ブラヴァスの2頭に期待する。

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