藤田菜七子が海外遠征で見せた成長。先輩女性騎手としてより逞しく

  • 土屋真光●文・撮影 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 2021年3月はじめの週末に、2人の女性騎手がデビューした。18歳の永島まなみは6日の小倉2レースでの4着が最高順位。20歳の古川奈穂も、阪神1レースの4着が最高で初勝利はお預けになったが、今後の活躍に多くのファンが期待を寄せている。

 2人のデビューによって、5年前に華々しく騎手人生をスタートさせた藤田菜七子にも再び大きな注目が集まっている。2018年に女性騎手の最多勝利記録を更新し、2019には日本人女性騎手として初のJRA重賞制覇。しかし23歳になった"先輩"は、サウジアラビアでのレースでさらに逞しさを増した姿を見せていた。

サウジアラビアの国際招待競走に参戦した藤田サウジアラビアの国際招待競走に参戦した藤田 藤田は現地時間2月18日、19日の両日、サウジアラビアの首都リヤドにあるキングアブドゥラジス競馬場で行なわれた国際招待競走「サウジカップ開催」に参戦。昨年に創設されたばかりの国際招待競走だが、今年はコロナ禍により開催を危ぶむ声もあった。それでも、国外からの関係者の移動を競馬場とホテルに限定した"バブル"対応で隔離し、さらに無観客レースとすることで、無事に2日間を終えた。

 この2日間のリヤドは時折冷たい雨も降るなど、サウジアラビアのイメージとはほど遠い寒さで、取材をする筆者もスーツの上にレインコートを着てもまだ寒いと感じるほどだった。そんな中、1日目は国際騎手招待競走の『インターナショナル・ジョッキーズ・チャレンジ(以下、IJC)』の4レースを中心に、2日目はサウジC(ダート1800m)をメインに7つの国際招待競走が行なわれた。

 IJCは、世界各地から選出された男女7人ずつ計14人の騎手が、4つのレースの着順によって得られるポイントで総合順位を争う。騎手の選考は単にリーディングというわけではなく、話題性も考慮されている。昨年に通算1万3000勝を達成したブラジルのジョルジ・リカルド、イギリスからは2年連続で100勝超えのホリー・ドイル、フランスで初の女性騎手によるG1勝利を果たしたジェシカ・マルチアリスらと共に、日本からは藤田が招待を受けた。

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