堤礼実アナが振り返る初のトレセン取材。忘れられない恥ずかしいエピソード (2ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 トレセンは広大な施設なので、敷地内には道路が通っていて、関係者のみなさんも自動車で移動します。そこでは"馬が優先"がルール。「それはそうですよね」と納得しつつも、そういったことも新鮮な出来事として、今なお記憶に残っています。

 パッと見では何の変哲もない道路を馬が普通に歩いているのですから、その光景だけでも驚きです。当時の私は、競走馬を至近距離で見たことがなかったですし、生で馬を見るのは、幼い頃に動物園へ行って以来のこと。それでいて、手を伸ばせば触れそうな距離で、馬がゾロゾロと歩いているのですから「何だ、ここは!?」と、別世界に来たような感覚でした。

 と同時に、初めてのトレセン取材で強く印象に残っているのは、騎手や調教師の方たちは「みなさん"プロ"だな」ということでした。

 当時は競馬番組の担当になってまだ日が浅かったのですが、直接お話をうかがってみると、誰もが命をかけて馬と向き合っている。改めてそれを強く感じる機会となりました。自分自身も軽い気持ちで担当するのではなく、馬はもちろん、騎手や調教師のみなさんともしっかり向き合わないといけないと、改めて痛感させられました。

 ただ、当時の自分を振り返ると、あまりにも勉強不足でしたね(苦笑)。競馬の専門用語がわからないどころか、GI、GIIの意味すらもよくわかっていませんでしたから。

 それが今では、いろんな人から教えてもらい、だいぶわかるようになってきました。競馬番組を担当するようになって丸4年。まだまだ未熟ですが、少しは成長できているのかなと思います。

 そういえば、初めてのトレセン取材ですごく印象に残っているエピソードがもうひとつあります。それは、撮影の合間のちょっとした時間でのことでした。

 トレセン内には、競馬に使う用具を売っているお店があるのですが、そこでひとりの男性が、私たち撮影チームにいろいろと教えてくださったのです。

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