チューリップ賞は、天国に旅立ったジャングルポケットの血を継ぐ1頭に注目 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 この馬を強く推すもうひとつの理由は、その血統だ。父ミッキーアイルはディープインパクト産駒で、GⅠNHKマイルC、GⅠマイルチャンピオンシップを勝った名マイラー。3歳時には重賞3勝を含む5連勝と、3歳のシャーレイポピーも本領を発揮してくるはずだ。ちなみに、前述のメイケイエールもミッキーアイル産駒である。

 牝系も優秀で、母オリエンタルポピーは未勝利だが、祖母トールポピーはGⅠオークス、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬。チューリップ賞にも出走があり、ハナ差の2着だった。その父で日本ダービー馬のジャングルポケットは、3月2日にこの世を去ったばかりだけに、その血を持つ同馬には余計に期待したくなる。

 もう1頭、エリザベスタワー(牝3歳/栗東・高野友和厩舎)にも期待したい。同馬は昨年12月の新馬戦(阪神/芝1600m)の内容がすばらしかった。4角12番手から上がり3F33秒6の瞬発力を見せての豪快な差し切りで、スケールの大きさを感じさせるものだった。

 前走のLエルフィンS(中京/芝1600m)は9着に敗れたが、当日はイレ込んで出遅れてしまい力を出し切れなかった。今回は新馬勝ちの舞台に戻るため、前走のようなことはないだろう。

 この馬も血統が優秀。父はGⅠ愛2000ギニーを勝った全欧年度代表馬キングマンで、母は独オークス馬ターフドンナ。桜花賞、オークスどちらにも対応できそうな血統背景の持ち主だ。

 以上、今年のチューリップ賞は、前走からの巻き返しを狙う良血馬2頭に期待したい。

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