チューリップ賞は、天国に旅立ったジャングルポケットの血を継ぐ1頭に注目

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 3月6日、阪神競馬場でGⅡチューリップ賞(芝1600m)が行なわれる。

 このレースは、4月11日に開催されるGⅠ桜花賞(阪神/芝1600m)のトライアルレース。2012年から昨年まで、勝ち馬5頭を含み、9年連続で桜花賞の連対馬を出しているという最重要ステップレースだ。

 直近3年は勝ち馬こそ出していないものの、2018年ラッキーライラック、2019年シゲルピンクダイヤ、2020年レシステンシアと、チューリップ賞からの出走馬が3年連続で2着に。シゲルピンクダイヤはチューリップ賞2着から桜花賞7番人気での激走。さらに昨年も、チューリップ賞7着のスマイルカナが9番人気から3着と好走しているため、このレースで敗れた馬も見逃せない。

 今年は12頭が登録したが、重賞勝ち馬どころか2勝以上馬がメイケイエール1頭(GⅢファンタジーS、GⅢ小倉2歳S)と、やや小粒なメンバーとなっている。実績上位のメイケイエールは今回と同じ条件で行なわれたGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズでも4着と大崩れはしていない。だが、激しい気性の持ち主で危うさがあり、距離もベストとは言いがたいので、中心にはしにくい。

 どの馬にもチャンスがありそうだが、筆者がもっとも注目するのはシャーレイポピー(牝3歳/栗東・石坂公一厩舎)だ。

4戦目で重賞初勝利を狙うシャーレイポピー4戦目で重賞初勝利を狙うシャーレイポピー 同馬もキャリア3戦目の1勝馬。前走のL紅梅S(中京/芝1400m)では2番人気に推されながら6着。スタートで大きく出遅れて最後方からの追走となり、自分の競馬ができなかった。

 シャーレイポピーは、初勝利を挙げた2戦目の内容が鮮やかだった。今回と同じ阪神/芝1600m戦で、好スタートからハナを奪うと、1000m通過59秒8のマイペースに持ち込み、直線では後続の追撃を寄せつけず3馬身半差で快勝している。この時のような走りができれば、重賞レースでも上位争いは可能だろう。

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