すべて1勝馬。「荒れる」要素が増した京成杯で穴党記者が見極めた4頭 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 そして残り400m手前で、鞍上の丸山元気騎手が右後方を振り向いて、1番人気シテフローラルの手応えを確認。そこから追い出しを始めたように、余裕たっぷりのレースぶりでした。序盤の流れが緩かったとはいえ、ラスト2ハロンは11秒2-11秒2という好ラップをマーク。まだ緩さを残した状態でも、しっかり動けていた点には好感が持てます。

 母シャトーブランシュは現役時代、強烈な末脚を繰り出してGIIIマーメイドS(阪神・芝2000m)を快勝していますが、メンバーや展開に応じて好位で競馬ができる馬でした。ヴァイスメテオールはそんな母の競馬のうまさを受け継いでいる印象があります。

 荒れた馬場、重賞でも手薄なメンバー構成なら、緩かった新馬戦のペースから激変することもないでしょうから、そつないレース運びで上位に食い込んでくるはずです」

 松田記者はもう1頭、重賞出走歴が唯一あるプラチナトレジャーにも注目する。

「前走のGIII東京スポーツ杯2歳S(4着。11月23日/東京・芝1800m)では、のちにGIホープフルS(中山・芝2000m)を制するダノンザキッドに切れ負けしましたが、自身もメンバー2位タイの上がりをマーク。最後の末脚はしっかりしています。

 同馬を管理する国枝栄調教師も、『馬場が悪いのは平気。難しい馬ではないので、中山コース、コーナー4つの競馬でも大丈夫』と自信の弁。新馬戦(4着。7月26日/札幌・芝1800m)では口向きの悪さを見せていましたが、レースごとに改善傾向にあり、メンバーが楽になるここでは馬券圏内は確実でしょう」

 一方、デイリースポーツの大西修平記者は、今回と同じ距離の新馬戦(12月20日/阪神・芝2000m)を完勝したタイソウ(牡3歳)を推奨する。

「新馬戦では2番手で流れに乗ると、直線は肩ムチ一発で一気にギアを上げました。その後はノーステッキのまま、加速ラップを刻み続けて3馬身差の快勝。勝ち時計は2分5秒7と平凡ですが、2着馬マイプレシャスが次戦で難なく勝ち上がっているように、負かした相手は強く、数字以上に評価できる一戦でした。

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