シンザン記念は中京で開催。条件変更が吉になりそうな馬は? (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 ダディーズビビッドの血統を見ると、父は日本ダービー馬のキズナで、兄ケイティープライドはGⅢ函館記念で2着。近親には、2007年の年度代表馬アドマイヤムーン、GⅠスプリンターズSを制したスリープレスナイト、GⅠエリザベス女王杯を制したヒシアマゾンなどがおり、多くの活躍馬が出た名門で、2、3歳戦の重賞での好成績が目立つファミリーだ。2歳世代最初のJRA勝ち馬が、2021年最初の3歳重賞で勝利することを期待したい。

 他にも多くの素質馬がスタンバイしているが、その中で筆者が注目しているのはレゾンドゥスリール(牡3歳/栗東・須貝尚介厩舎)だ。

 11月21日に阪神で行なわれた新馬戦(芝1600m)はスタートがイマイチで、道中で徐々に進出していったん先頭に立ち、そこから3馬身ほど下がるという一見チグハグな競馬を見せるも、直線に入って盛り返した。タイムも、上がり3F33秒4と非凡な瞬発力を披露している。

 父は、2019年の年度代表馬リスグラシューや、GⅠ朝日杯フューチュリティSを勝った現4歳のサリオスなど、数々の名馬を輩出したハーツクライ。母のローブティサージュは、2012年のGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬という良血だ。

 さらに、ハーツクライ産駒で母系にサドラーズウェルズを持つ馬には、前述のリスグラシューや米GⅠ2勝のヨシダが、マキアヴェリアンを持つ馬にはGⅠジャパンCのシュヴァルグランといった"大物"がいる。レゾンドゥスリールは今季が2戦目だが、期待してよさそうな血統の持ち主だ。

 以上、今年のシンザン記念は、キズナ産駒ダディーズビビッド、ハーツクライ産駒レゾンドゥスリールの2頭に期待する。

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