朝日杯FSで混戦必至も抜け出せる3頭。当日は馬場状態も要チェックだ (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 未勝利戦は行きっぷりよく、スムーズに4コーナーで先頭に立つ楽なレースだった。だが、デイリー杯2歳Sはやや行きたがりながらも我慢して、直線では開いた内をスッと突き、最内から叩き合いを制するという味のある競馬を見せた。先行しても差しても上位争いができるだろう。

 全兄レッドベルジュールもデイリー杯2歳Sを制したものの、昨年の朝日杯フューチュリティSでは3番人気ながら10着と敗れ、そのまま引退。兄の分までいい走りをしたい。

 さらに、ステラヴェローチェ(牡2歳/栗東・須貝尚介厩舎)はサウジアラビアロイヤルCを3馬身差で圧勝。不良馬場の中で後方から追走し、直線では馬場がいい外めを回って、他の馬とは違う脚いろで差し切った。一方で7月の新馬戦は、今回と同じ「阪神/芝1600m」で4コーナー先頭から押し切っている。

 父がバゴという血統は、GⅠ宝塚記念、GⅠ秋華賞を勝ち、有馬記念でも有力視されているクロノジェネシスと同じ。また、伯父ゴスホークケンが朝日杯フューチュリティS勝ち馬と、このレースとも縁のある血統だ。

 この2頭の足跡は対照的。レッドベルオーブは良馬場の速い時計に強く、ステラヴェローチェは稍重、不良馬場で連勝している。どちらを上に見るかは、当日の馬場状態次第と言えるだろう。

 以上、今年の朝日杯フューチュリティSはカイザーノヴァの激走に期待しつつ、馬場状態次第でレッドベルオーブ、ステラヴェローチェとのどちらかを相手に考えたい。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る