「私にとって特別な馬」堤礼実アナが振り返るJCとアーモンドアイ

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

 でも、誰より一番"かかっていた"のは私じゃないかと(苦笑)。

 オンエアーが始まってからも、ずっとかかり通しで「払い戻しをお伝えします」というような、いつも言い慣れている言葉でも、自分では抑えているつもりなのに、つい力が入ってしまって......。自分で自分がかかっているのを感じながら、番組を進めていました。

 そして、歴史的レースはついにスタートとなったわけですが、キセキが大逃げを打ったことには少し驚きましたね。最後の直線を迎えた時にも、かなりの大差をつけていて、「まさか、キセキが奇跡を起こすの?」と、正直思いました。

 しかしそこから、ラスト2ハロンをすぎて、アーモンドアイが先頭に出てきて、それに続くようにコントレイルとデアリングタクトも追ってきて......。

 あのシーンには、すごく興奮しました。その映像だけを何回も見返してしまったくらいです。今でもすごく印象に残っていて、脳裏にしっかりと焼きついています。

 結果はみなさんご存知のとおり、アーモンドアイが自身の記録をさらに更新する芝GI9勝目を挙げて、引退レースを飾りました。

 これは、おそらくレースを見た誰もが思ったことでしょうが、本当にすばらしいレースだったと思います。

 正直なことを言うと、アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトの参戦が決まってから、私は3頭の直接対決が楽しみである反面、悩ましい日々を過ごしてもいました。

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