「力強いフットワーク」を見せるスワーヴリチャードの妹、ルナベイル (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 この他、2011年生まれの兄バンドワゴンもオープン馬まで出世している。2歳時にはデビュー2連勝を決めて、3歳春のGIIIきさらぎ賞では2着と健闘した。その後、脚部不安によってクラシックの舞台には立てなかったが、古馬になってから条件戦を勝ち上がってオープン入りを果たした。

 ルナベイルもそういった兄たちと同様の活躍が期待されているが、現在はどういった状況にあるのだろうか。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「ルナベイルは、7月にゲート試験を合格。その後は放牧に出て、最近トレセンに戻ってきたところです。まだ強い追い切りはかけていませんが、『力強いフットワークで、乗り味はいいものがある』とスタッフ。馬体重が500kgほどあって、スタッフは『切れるタイプというより、パワー型ではないか』と話しています」

 気になるのはデビュー戦の予定だが、トラックマンによれば、まだ決まっていないという。

「スタッフが『能力があるのはわかっているだけに、早くデビューに向けて進めたいが......』と、苦しい胸の内を吐露。体が大きいこともあって、慢性的な足元の弱さが見られるみたいです。スワーヴリチャード以外は、兄、姉たちの多くがケガに泣かされている分、ルナベイルについても慎重に事を進めているようです」

 デビューまでにはもう少し時間がかかりそうだが、スタッフの口ぶりから好素材であることは間違いない。今後、調整がうまく運んで初陣の準備が整えば、きっと高いパフォーマンスを見せてくれるだろう。その日が来るのを、じっくりと待ちたい。

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