2020.12.05

チャンピオンズCで不気味な一頭。今年最初のGI覇者に一発はある

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 ダート界において、自らの時代を創れる馬というのは、安定した先行力があって、大きく崩れるイメージがありません。馬場にも、展開にも左右されず、自らの力どおりに走って、当然のように先頭でゴールする、といった強さがあります。クリソベリルも同様で、個人的には、連覇の可能性はかなり高いと見ています。

 この絶対王者クリソベリルに対して、もし逆転があるとすれば、初対戦の馬、底を見せていない魅力のある馬、ということになるでしょう。そして今回、そのタイプに当てはまるのは、先にも触れたルメール騎手が騎乗するカフェファラオだと思っています。

 地方交流GIのジャパンダートダービー(7月8日/大井・ダート2000m)では7着に敗れたものの、JRAのレースに限れば、デビューから4戦無敗です。とりわけ、新馬戦からGIIIユニコーンS(6月21日/東京・ダート1600m)までの3連勝で見せたパフォーマンスは、将来のダート界はカフェファラオの天下になると思わせるほどのインパクトがありました。

 ジャパンダートダービーのあと、秋初戦のGIIIシリウスS(10月3日/中京・ダート1900m)では、ルメール騎手が手綱を取って勝利。そのまま、チャンピオンズCでも継続騎乗となりました。

 つまりルメール騎手は、チュウワウィザード(牡5歳)、タイムフライヤー(牡5歳)、モズアスコット(牡6歳)、そして昨年のレースで2着だったゴールドドリーム(牡7歳)といったお手馬がいるなかで、カフェファラオを選択したことになります。この秋の主役を張るジョッキーが選んだ馬となれば、このメンバーの中に入っても、勝ち負けできるポテンシャルがあると思います。

 もう1頭、勝ち負けというよりは、2、3着に入ってきそうな馬として、クリンチャー(牡6歳)にも注目しています。

 ダートに転向して以降、毎回好走するものの、勝ち切れないレースが続いていました。しかし、前走のGIIIみやこS(11月8日/阪神・ダート1800m)では、テン乗りの川田騎手が積極的に仕掛けて、同馬の長所を引き出して勝利へと導きました。

 今回、川田騎手が乗れないのは残念ですが、それは陣営も織り込み済みでしょう。代わって、関東リーディング3位(全国8位)の三浦皇成騎手が手綱をとります。いまだGI勝利はなく、今年は重賞でも存在感を示すことができていませんが、今回はチャンスだと思って、一発を狙うような競馬をしてもらいたいと思っています。