ダートの頂上決戦を前にして思い浮かぶ、怪物クロフネの衝撃の「鬼脚」

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Sankei Visual

 GIチャンピオンズC(中京・ダート1800m)が12月6日に行なわれる。

 同レースは最初、2000年にGIジャパンカップダート(東京・ダート2100m)として創設された。その後、2008年から阪神競馬場(ダート1800m)に舞台を移し、2014年から中京競馬場で開催されるようになり、レース名も現在の名称となった。

 記念すべき第1回の覇者は、ウイングアロー。同馬は以降も第一線で活躍し、第2回でも連覇が期待されていた。だが、そのレースでなんと7馬身もぶっちぎられてしまうのだ。

 前王者をちぎって勝利したのは、クロフネ。3歳の外国産馬である。

 現役生活は、これが最後のレースとなった。トータル10戦して、芝のGIレースで戴冠も果たしている。ダート戦はこのジャパンカップダートを含めて、わずか2戦。しかしながら、芝のレースをはるかに上回るほどのインパクトを、ダート戦で残している。

 おかげで、「ダートのレースは2戦ともぶっちぎり。他の馬とは次元が違った」。今なお、そう語る競馬ファンは少なくない。

 クロフネと言えば、ダートの「史上最強馬」といった声さえある。

2001年のGIジャパンカップダートで驚異的な強さを見せたクロフネ2001年のGIジャパンカップダートで驚異的な強さを見せたクロフネ ただそれは、結果的にそうなっただけのこと。クロフネは最初から"ダートの史上最強馬"を目指していたわけではない。

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