ジャパンC、ダービージョッキーが示す3強の優劣と気になる伏兵の存在

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 3頭の中で、ほとんど迷わずジャパンC出走を決めたのは、デアリングタクトだけ。トライアルを使わず秋華賞に臨んだ時点で、三冠を達成すればジャパンCへ、というプランは関係者の間で決まっていたのでしょう。秋華賞後の放牧からの帰厩も一番早く、中間の調整は最も順調に見えます。

 また、菊花賞からジャパンCというローテにおいては、あまり結果が出ていないという話を先に触れましたが、対照的に秋華賞からジャパンCに向かった3歳牝馬は好結果を残しています。

 それは、やはりジャパンCまでの間隔が1週長いという点と、秋華賞が2000m戦であるため、菊花賞と比べて、レース後の疲労も少なくて済むからでしょう。

 こうして3頭の消耗度を見てきましたが、今回は特別な3頭による対決なので、過去の傾向やローテーションによる状態の差は関係ないのかもしれません。私としても、せっかくの直接対決なので、アーモンドアイやコントレイルが本来のパフォーマンスを発揮できずに負けてしまうシーンは望んでいません。

 とはいえ、こういう究極の対決となると、最後に勝敗を分けるのは、ちょっとした仕上がりの差、1週間多く体調を整えられた分の差、といったことよる場合が往々にしてあります。どの馬が勝つにしても、歴史とファンの記憶に残るような名勝負を演じてもらいたい――その気持ちは強いのですが、仕上がりという観点から、ここではデアリングタクトが有利ではないか、と結論づけたいと思います。

「3強」に割って入る存在として期待されるカレンブーケドール「3強」に割って入る存在として期待されるカレンブーケドール 最後に「ヒモ穴馬」についてですが、今回は3頭をまとめて負かすのは厳しいと見ています。それでも、間に割って入る、一角崩しを狙える馬なら、1頭気になる存在がいます。

 国枝栄厩舎のカレンブーケドール(牝4歳)です。

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