エリザベス女王杯はGI馬3頭が優勢。一角崩しなら勢いある3歳馬か (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 よく「後方、ポツン」と言われますが、あの位置取りは、並みの騎手では怖くてできないものです。馬群にくっついていれば、騎手が位置取りで責任を問われることはほとんどありませんが、1頭だけ後方に離れていて、それでいて結果が出なかったら、相当非難されますからね。つまり、かなりの自信とやる気がなかったら、あのポジションで競馬はできないのです。

 また、札幌記念で先に抜け出しを図ったラッキーライラックを鮮やかに差し切ったように、横山典騎手は他に人気の馬がいるとき、その馬を目標にして打ち破る形を得意としています。ノームコア自身、人気を他の馬に譲る形でレースをしたほうが戦いやすいでしょうし、GI2勝目なるか、楽しみです。

 これらGI馬3頭がやや優勢と見ますが、一角崩しを期待するなら、3歳馬だと踏んでいます。この世代は、デアリングタクトが断然の「一強」だったので、他の馬たちは最後まで目立ちませんでしたが、決して世代レベルが低いとは思いません。エリザベス女王杯では過去にも3歳馬の台頭がよく見られますから、なおさらです。

エリザベス女王杯での一発が見込まれるソフトフルートエリザベス女王杯での一発が見込まれるソフトフルート そして今年は、GI秋華賞(10月18日/京都・芝2000m)から5頭が出走予定。なかでも、同レースで3着と好走したソフトフルート(牝3歳)を今回の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

 今春の5月にやっと2勝目を挙げ、休み明けの2勝クラス・夕月特別(9月26日/中京・芝2000m)で4馬身差の圧勝劇を披露。その勢いで抽選突破の秋華賞でも3着に食い込んだ、いわゆる上がり馬です。

 夏を越して"馬が変わった"と考えれば、底を見せていませんし、阪神の内回りで行なわれる今年の舞台にも対応できそうな、一瞬の脚があるのも魅力です。

 今回の鞍上は、福永祐一騎手。ジョッキーとして、円熟の極みに達してきた印象があり、ここでもどんな手綱さばきを見せてくれるのか、とても楽しみです。

 さらに、ソフトフルートを管理する松田国英調教師は、来年の2月で定年。最後の秋のGIシリーズで、ぜひとも好結果を残してもらいたいものです。

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