2020.11.14

エリザベス女王杯はGI馬3頭が優勢。
一角崩しなら勢いある3歳馬か

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 ラッキーライラックは、昨年の覇者であり、大阪杯でGI3勝目をマーク。GI宝塚記念(6着。6月28日/阪神・芝2200m)、札幌記念(3着)と連敗してしまったため、この秋はエリザベス女王杯の連覇を目指すことになったようですが、牡馬相手でも戦えるレベルの馬です。

 同馬は昨年、クリストフ・スミヨン騎手に乗り替わって、末脚を生かすスタイルに変えてエリザベス女王杯を快勝。見事に覚醒を果たしました。その後、今春からはミルコ・デムーロ騎手が新たなパートナーとなって奮闘してきましたが、今回はクリストフ・ルメール騎手に乗り替わります。今の日本競馬で最も頼もしい乗り替わりであることは間違いなく、再び変貌を遂げるのか、大いに注目されます。

 一方、ラッキーライラックを手放したデムーロ騎手は今回、ラヴズオンリーユーに騎乗。同馬とは3戦目のオープン特別・忘れな草賞からコンビを組んでおり、ラッキーライラックとの能力的な比較より、愛着のほうが上回ったのかもしれません。昨年のエリザベス女王杯では1番人気で3着でしたから、自らの手でリベンジを果たしたい気持ちもあるのでしょう。

 オークスのあとは、なかなか勝ち星に恵まれていませんが、能力的にはここでも見劣りはしません。距離が延びたほうがいいタイプだと思いますし、巻き返しが期待されます。

 そして今回、この2頭をまとめて差し切るのではないか、と見込んでいるのが、ノームコアです。

 今年の春も、GI高松宮記念(15着。3月29日/中京・芝1200m)から始動して、GIヴィクトリアマイル(3着。5月17日)、GI安田記念(4着。6月7日/東京・芝1600m)と走ってきて、古馬になってからは短い距離を中心に使われてきました。しかし、久々に距離を延ばした札幌記念が非常にすばらしい内容でした。

 陣営としては、秋競馬の選択肢を増やすべく、札幌記念はその試金石のつもりで使ったレースだと思うのですが、あの勝ちっぷりなら、距離を延ばしてエリザベス女王杯に参戦する決断を下したことにも納得です。

 そもそも3歳春には、桜花賞には目もくれず、オークスに狙いを定めて走ってきた馬(出走は叶わず)。血統的にも、父がハービンジャーで、半妹にクロノジェネシスがいますから、本質的には長めの距離のほうが合っているような気がします。

 鞍上の横山典弘騎手は、先週のGIIIファンタジーSで2着に導いたオパールムーンもそうですが、決め打ちで爆発的な末脚を引き出すのが、本当にうまいジョッキーです。