エリザベス女王杯は実績と血統に注目。「芝2200m巧者」が2頭いる (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 さらにセンテリュオには、血統的にも"2200m巧者"を裏づける背景がある。同じディープインパクトを父に持つ叔父トーセンホマレボシは、3歳時のGⅡ京都新聞杯(京都/芝2200m)を、当時のJRAレコードタイムで快勝しているのだ。

 また、伯父トーセンジョーダンと近親のカンパニーが、GⅠ天皇賞・秋(東京/芝2000m)勝ち馬という名牝系の出身というのも心強い。トーセンジョーダンは5歳時に、カンパニーは8歳時に天皇賞・秋を勝った"晩成血統"でもあり、センテリュオにも5歳でのGⅠ初勝利に大きな期待がかかる。

 もう1頭、実績と血統から狙いたい穴馬がロサグラウカ(牝5歳/美浦・尾関知人厩舎)。

 父ルーラーシップは現役時代、香港のGⅠクイーンエリザベス2世C(芝2000m)のほか、芝2200mでもGⅡアメリカJCC(中山)を勝利。また、産駒のネプチュナイトは、芝2200mの現JRAレコードホルダー(京都・2分09秒7)だ。さらに母系を見ると、祖母ローズバドは2001年エリザベス女王杯の2着馬。芝2200mとこのレースに縁のある血統だ。

 ロサグラウカ自身も、芝2200mでは3歳時の水仙賞(中山)で勝利するなど、3戦1勝2着1回とまずまずの成績を残している。前走はOP新潟牝馬S(新潟/芝2200m)で7着と敗れているが、初めての重馬場も影響したのだろう。良馬場なら巻き返してもおかしくない。

 以上、今年のエリザベス女王杯は、ラッキーライラックの実力を認めつつ、センテリュオを中心にロサグラウカの激走にも期待したい。

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