アルゼンチン共和国杯は穴党記者が状態を吟味して選んだ4頭に妙味あり (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 一方、デイリースポーツの大西修平記者は、穴候補としてラストドラフト(牡4歳)に注目しているという。

「前走のオープン特別・ケフェウスS(9月19日/中京・芝2000m)は8着に敗れましたが、久々で若干行きたがっていました。加えて、57㎏のトップハンデを背負っていたことも響いたと思います。

 そこから、この中間はいい意味でガズが抜けており、攻め気配は上向いています。さらに、秋から冬にかけて成績がよくなる同馬。寒くなったほうがパフォーマンスは間違いなく上がるので、なおさら楽しみです。

 父は、GIキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(イギリス・芝2390m)をはじめ、GIサンクルー大賞(フランス・芝2400m)、GIバーデン大賞(ドイツ・芝2400m)などを勝って、ヨーロッパの中距離GIで活躍したノヴェリスト。初の2500m戦も、折り合いさえつけば、十分に対応できるでしょう。

 ハンデも、前走より1㎏軽くなるのはプラス。今回鞍上を務める戸崎圭太騎手とも手が合いそうです。道中、うまく壁を作って、リズムよく直線に向けるようなら、一変の可能性が大いにありますよ」

 大西記者ももう1頭、推奨馬を挙げる。

バレリオ(牡5歳)です。道悪だった2走前の七夕賞は10着と大敗を喫しましたが、前走のオープン特別・丹頂S(9月6日/札幌・芝2600m)では2着と、きっちり巻き返しました。良馬場でこそ力を発揮できるタイプで、器用さが問われる小回りコースよりも、のびのびと走れる府中の広いコースに変わるのも歓迎のはずです。

 5歳秋を迎えて、ステイゴールド産駒らしい成長力を見せており、ここに来て、一戦ごとに力をつけている印象があります。前走後も放牧を挟んでしっかりとリフレッシュされ、帰厩後も併せ馬を中心に入念に乗り込まれています。良馬場前提になりますが、ハンデも55㎏なら、能力発揮に支障はなく、持ち味を知る津村明秀騎手のエスコートによって、このメンバー相手でも好勝負を演じてくれるのではないでしょうか」

 はたして、今後のGI戦で輝きを放つ馬が今年も現れるのか。GIの狭間とはいえ、見逃せない一戦である。

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