GI8勝の壁か。アーモンドアイの快挙達成を不安視するデータがズラリ (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

 要するに、国内のGIで通算8勝目に挑戦したことがあるのは、意外にもテイエムオペラオー1頭だけ。同馬は、春のGI宝塚記念(2着)から、天皇賞・秋(2着)、ジャパンC(2着)、有馬記念(5着)と4度チャレンジして、すべてのレースで連覇も狙いながら敗れている。

 この、最初のチャレンジが春のGIで、連覇を狙う天皇賞・秋が2度目の挑戦という形は、アーモンドアイも同じ。アーモンドアイにとっては、嫌なデータと言える。

 また、天皇賞・秋が現在の芝2000mで施行されるようになって以降、連覇を狙った馬は12頭いるが、連覇を果たしたのはシンボリクリスエス1頭のみ。それも、3歳→4歳でのこと。4歳→5歳以上での連覇は一度もない。

 牝馬でも、ブエナビスタ、ウオッカが5歳時に連覇を狙ったが、ともに4着、3着と敗れている。5歳のアーモンドアイには、厳しい状況にある。

 最後に見てみたいのは、出走頭数による1番人気の結果。今回の天皇賞・秋は12頭立てという少頭数で覇権が争われるが、グレード制導入以降で、12頭立てで行なわれたのは、2回。1998年と1頭除外となり12頭立てとなった2018年である。

 この時の1番人気の戦績だが、1998年は競走中止(サイレンススズカ)、2018年は10着(スワーヴリチャード)に終わった。過去に3度あった13頭立てのレースを見ても、1番人気は未勝利だ。

 少頭数で紛れがないからといって、アーモンドアイを絶対視するのは禁物かもしれない。

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