2020.10.29

アーモンドアイに死角あり。天皇賞・秋は
コントレイルに似た血統馬に注目

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 そのほか、GⅠドバイターフ(メイダン/芝1800m)などGⅠ2勝のヴィブロスが、2018年に7番人気で8着、2006年にはGⅠ宝塚記念などGⅠ3勝のスイープトウショウが1番人気で5着など、牡馬相手にGⅠを勝っていた名牝が相次いで敗れている。

 唯一勝利している遅咲き馬のヘヴンリーロマンスは、アーモンドアイや前述の馬たちが3歳春のクラシックに出走していた頃に500万下(現在の1勝クラス)を走っていた馬で、4歳暮れに急激に伸びた。一方でジェンティルドンナ、ブエナビスタ、ウオッカといった3歳頃からとてつもない強さを見せている馬が、その能力を5歳まで持続するのは難しい。これらの馬たちは天皇賞・秋で敗れたあとにも、2400m以上のGⅠレースを勝ってはいるが、よりスピードが求められる2000mのGⅠは難しい部分があるかもしれない。

 アーモンドアイは前走の安田記念で2着。初めて中2週というレース間隔で出走し、稍重馬場で出遅れて流れに乗れなかったなど、敗因はいくつか考えられる。ただ、昨年のGⅠ有馬記念(中山/芝2500m)で9着になるなど、今では決して絶対的な存在とも言いきれない。

 サラブレッドも5歳になると、目に見えない肉体的・精神的な衰えが出てきても不思議はない。4馬身差で圧勝した、今年5月のGⅠヴィクトリアマイルくらいの走りができれば問題ないだろうが、5歳秋初戦の馬が単勝2倍を切るくらいの人気になるようなら、ちょっと疑ってかかりたいところだ。

 そこで狙いたいのが、ダノンキングリー(牡4歳/美浦・萩原清厩舎)だ。

今年3月の中山記念で重賞3勝目を挙げたダノンキングリー今年3月の中山記念で重賞3勝目を挙げたダノンキングリー  同馬はGⅠ未勝利ながら、今年のGⅡ中山記念(中山/芝1800m)など重賞3勝。昨年のGⅠ日本ダービー(東京/芝2400m)2着など、GⅠでも僅差の勝負を繰り広げている。

 特にすばらしい内容だったのが、昨年の毎日王冠。出遅れて最後方からの競馬となったが、直線では怒濤の追い込みで1馬身1/4差の完勝。勝ちタイム1分44秒4はコースレコードに0秒2差に迫る好タイムだった。