2020.10.28

GIシーズンになると思い出す、
哀感の「シルバーコレクター」たち

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 それでも、2005年のGIジャパンCダート(東京・ダート2100m)では、当時のダート王カネヒキリとハナ差の勝負を演じている。決して、力がなかったわけではない。

 9度のGI2着を積み重ねてきた期間、鞍上を務めた騎手は、オリビエ・ペリエ、横山典弘、武豊と一流どころばかり。彼らの腕をもってしても、シーキングザダイヤは"定位置"の2着より上の結果を残すことができなかった。最近の言葉で言えば、"もってない"ということだろうか。

 引退後は、種牡馬となって、南米のチリで複数のGI馬を輩出。その中には、チリのダービー馬もいるという。

 さて、「シルバーコレクター」には、その時代に生まれて"相手が悪かった"というケースがいくつかある。

 例えば、ヴィルシーナ。2012年の牝馬三冠レースにおいて、すべて2着に終わっている。トライアルのGIIローズS(阪神・芝1800m)を含めて、GI桜花賞(阪神・芝1600m)からGI秋華賞(京都・芝2000m)まで4戦連続2着という記録を持つ。

 その4戦すべてで勝ち馬となったのは、女傑ジェンティルドンナ。牝馬三冠達成後には、GIジャパンC(東京・芝2400m)で怪物オルフェーヴルをも撃破している。

 ヴィルシーナは秋華賞のあと、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)も2着に終わったが、古馬になってからGIを2勝している。もし同世代にジェンティルドンナがいなければ、彼女が三冠牝馬になっていたかもしれない。

 同い年のライバルにやられ続けた馬と言えば、メイショウドトウもそうだ。

 同馬が重賞戦線で活躍し始めたのは古馬になってからだが、GII、GIIIでは勝利を挙げることができても、GIの舞台となると、必ず"越えられない壁"が立ちはだかっていた。前年の牡馬クラシックで、アドマイヤベガ、ナリタトップロードらとしのぎを削ってきたテイエムオペラオーである。